現在大学の講座には30名以上の麻酔科医が在籍しており、救急集中治療部や緩和ケア診療部と連携して、安全・安心な麻酔医療を提供しています。北海道内の30を超える教育関連施設に麻酔科医を派遣し、北海道の地域麻酔医療への貢献を果たしています。同門会員は100名を超え、北海道において増え続ける麻酔ニーズと、広がり続ける麻酔関連診療領域に対し、一丸となって対応しています。
麻酔業務では、手術前~手術後までの周術期と呼ばれる期間に、患者さんの痛みや不安を取り除き、患者さんの安全を守りながら、安心して手術を受けていただけるようにするのを最大の目的としています。手術中・手術後に痛みがないように硬膜外麻酔や神経ブロック、麻薬などの鎮痛剤を適正に使用したり、手術中刻々と変化する血圧・心拍数・酸素化の状態などのバイタルサインを適切に把握・判断し、正常範囲内にコントロールするのも麻酔科の役割です。特に当講座では、伝統的に経食道心エコーを使用した心機能評価や、血管穿刺施行時、神経ブロック施行時に超音波診断装置を用いた術中の安全管理に力をいれています。
また、当講座では旭川医科大学での手術における麻酔業務を中心に、ペインクリニック、緩和医療、集中治療、救急医療と幅広い業務も展開しています。
当講座においては、伝統的に筋弛緩薬に対する基礎・臨床研究を研究の柱となっており、現在岩崎准教授を中心として業績が蓄積されています。経食道心エコー、超音波ガイド下神経ブロックの症例報告や臨床研究も盛んに行われています。また、ウイルスベクターを用いた痛みの遺伝子治療の基礎研究や、新規静脈麻酔薬の薬物動態に関する臨床研究も行われています。
若手医局員が各種麻酔関連資格の取得にとても熱心です。日本人初の米国経食道心エコー認定試験合格者、同じく日本人初のEuropean Diploma in Regional Anaesthesia & Pain Therapy (EDRA) 取得者を出すなど、伝統が息づいています。当講座では充実した指導体制のもとで若手医師が成長できる環境を整えています。
学生教育にも積極的に関与しており、シミュレータを用いた研修や、ICLS講習にも力を入れています。
1976年 | 札幌医科大学出身の小川秀道教授の就任により開講 |
1981年 | 中国との交流が始まり、多くの留学生を受け入れた |
1992年 | 講座の名称を、現在の麻酔・蘇生学に改めた |
1992年 | 第26回日本ペインクリニック学会学術集会(旭川市)を主催 |
1998年 | 2代目教授として札幌医科大学から岩崎寛教授を迎えた |
2006年 | 第26回日本臨床麻酔学会(旭川市)を主催 |
2011年 | 日本心臓血管麻酔学会第16回学術大会(旭川市)を主催 |
2013年 | ドラマ「風のガーデン」で医療監修を行い、緩和医療の啓発に役割を果たした |
2013年 | 第60回日本麻酔科学会(札幌市)と第10回世界筋弛緩会議(札幌市)を主催 |
2015年 | 本学出身の国沢卓之教授が3代目教授に就任 |
2023年 | 本学出身の牧野洋教授が4代目教授に就任 |